高濃度ビタミンC点滴療法は、アメリカのライナス博士によって
開発された療法です。ビタミンCを口から摂取するのではなく、
点滴により体内に注入する方法です。
サプリや食べ物から摂取するだけでは限界があり、
中には体質的に下痢をしてしまう人もいますが、
点滴療法ならその心配はいりません。
また高濃度のビタミンCを一度に大量に体内に入れることが
できるというメリットもあります。
ビタミンCは体内に蓄えておくことができないので、取りすぎても心配はなく過剰なビタミンCは自然に排出されます。
高濃度ビタミンCの点滴療法は、がん患者を対象者としてクリニックで行われています。
一般の医学的な治療では効き目がない人、あるいは一般の医学的な治療と並行して行うことで、さらに治療の効果を高めたい人、あるいは代替治療を目的とした人などに適した方法です。
また、高濃度ビタミンC点滴療法には大きな2つの作用があります。
一つには癌細胞を殺す役目です。癌細胞は糖を好みますが、
ビタミンCにも似たような性質があります。
癌細胞がビタミンCを取り込むと、そこから過酸化水素が
大量に発生します。正常な細胞は過酸化水素には
全く影響を受けませんが、癌細胞は過酸化水素に弱いので
死滅するのです。
抗がん剤や放射線療法と併用することで、さらに治療効果が高まります。
また、もう一つ抗がん剤の副作用の軽減にも大いに効果があります。
ビタミンCには毒を排出する作用があるので、抗がん剤の
強い毒素を薄めたり、身体から排泄させる役割をしてくれます。
また、ビタミンCは本来人の体内に自然に存在する物質です。
そのため大量に摂取しても、眠気や嘔吐、脱毛などの
副作用の心配がないので、安心して使えます。
ビタミンCにより免疫力の増加や体力が向上するので、
全身状態が良くなり辛さやだるさからも解放されることがあります。
治療をしても効き目がなく、他の治療法を探している人や、
再発や転移が心配な人にも有効な治療法です。
ライナス・ポーリングはアメリカ合衆国オレゴン州ポートランドに生まれた
20世紀で最も偉大な量子化学者の1人です。
ライナス・ポーリングの功績は当時まったく新しい学問であった
量子力学の理論を科学に応用したことです。
これによりライナス・ポーリングは「化学結合の本性、ならびに複雑な分子の構造研究」において素晴らしい成果をあげ、その功績を認めたノーベル財団からノーベル化学賞が授与されました。
ライナス・ポーリングはビタミン治療の生みの親としても知られています。
ただしその道程は順風満帆というわけではなく、研究は一部の医療専門家から、エセ科学で人を惑わす詐欺師扱いされることもありました。
その結果彼はそれまで築き上げてきた名声を失い、研究の援助も
打ち切られてしまいますが、死後10年が経過した頃カナダの
研究チームによって、理論の一部が証明され再評価が始まっています。
ライナス・ポーリングはノーベル化学賞だけではなく、
ノーベル平和賞の受賞者でもあります。
元々政治運動には興味のない人物でしたが第二次世界大戦で
戦争の悲惨さに衝撃を受け、原子力科学者の危機管理委員会の
メンバーとして核兵器の危険性について警鐘を鳴らしたのです。